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ティアック社小泉氏にタスカム渾身の自信作、クロマチックチューナー&レコーダーPT-7のお話をたっぷりお伺いいたしました。練習にストイックな上級者の方はもちろん、 これから楽器を始める初心者の方にも必見の内容!一気にライバルに差をつけるチャンスかも!?最後までどうぞお見逃しなく!
いつごろからこういった企画があったんでしょうか?
ご存知の通り録音をした音源の音程をDAWで修正する作業が何年か前から一般化していまして、専用のソフトも多数リリースされています。悪い音程を直す人が増えている、つまり音程を改善するための練習が必要な人も増えていると考えています。実際僕も音程修正は得意なんですが(苦笑)、修正ばかりで音程の練習をするツールというのは市場にありませんでした。こういった背景から、需要の増加に向けて2〜3年前から企画・開発を進めてきました。
チューナーとレコーダーを組み合わせた意図はなんでしょうか?
これまでは市場に音程を練習するための専用グッズ自体がありませんでした。みなさんチューナーを見ながら練習をされていたと思うんですが、そうすると楽器演奏かチューナーか、どちらかに意識がいってしまうので音程の確認をするのが結構難しいんですね。自分でゆっくり確認が出来るのはロングトーンを伸ばしている時ぐらいですから、音程が細かく変化するところまでは今までチェックが出来ていなかったと思います。また、チューナーというのは基本的にチューニングを合わせやすいように反応が少し遅めに作られていますので、一般的なチューナーでは音程の練習をする上では反応が間に合いませんでした。そこで、レコーダーと高性能チューナーを合わせた音程の練習をするために最適化した専用グッズを作れば、楽器ユーザーに受け入れられるのではないかと考えました。録音ができるようになったことで、演奏する時は演奏に集中できて、再生時には音程をじっくり確認することができるようになりました。
なるほど、確かに音程を練習する専用グッズというものは今までありませんでしたね。それでは今のところ競合する具体的な商品はないということでしょうか?
ないですね。あえて挙げるならチューナーでしょうか。もちろんPT-7を使った方が確実に練習がしやすいと思いますが、みなさんやはりこれまでチューナーを使って練習をされてきたのでチューナーでいいやと仰られるユーザー様もいると思います。また、音程の練習自体しないという人もかなりいると思います。今後はそういった方々にPT-7を使った効率的な練習方法をお勧めしていく活動も必要だと感じています。音程の練習グッズは自分の実力を認めなくてはいけないかなりストイックなツールになりますが(笑)、正確な音程を出せることは音楽を演奏する上で重要なテクニックの一つになりますので、是非そこを突き詰めて練習をして音楽ライフを楽しんで頂ければと考えています。
では、続きまして機能的に突っ込んだ部分にお話を進めさせていただきますが、まずPT-7のこだわりをお聞かせ
下さい。
先ほどの話の中にもありましたが、やはりまずチューナーだけど録音が出来るというところが一番の大きなポイントです。それと、チューナーの反応速度が非常に速いという点ですね。歌のメロディーを録って再生すると一音づつに正確に反応をします。ここまで反応が速いチューナーは恐らく同じ価格帯ではないと思います。基準音もこんなに周波数幅がいるのか?っていうぐらい広い帯域の音が出ます。(笑) 周波数は0.1単位ですからかなり細かい確認をしたい方でもご満足いただけるかと思います。
オートキャリブレーションもこだわり機能の一つです。これは、今鳴っている音の周波数を計測することができる機能です。何Hzでチューニングされているかわからない楽器がある場合に便利です。ライブハウスのピアノなどはチューニングがわからない場合が多いと思いますが、ピアノを基準に基準周波数を合わせているバンドというのは実際のところほとんどいないと思います。本当はやった方がアンサンブルが綺麗に聞こえるんですけどね。ピアノ以外もチューニングが簡単に出来ない、または変えられないエレクトーンやパイプオルガンといった楽器にも使える機能です。これはたぶんかなり高額なチューナーにしか付いていない機能だと思います。
オートキャリブレーション機能も0.1Hz単位なんですか?
はい、そうです。実際、人間の耳では0.1Hz単位まではなかなか聞き取れないと思うので、非常に正確なチューニングが可能です。
これだけ反応が速いチューナーですと、ギターとかは逆に合わせにくいってことはないでしょうか?
チューナーの反応速度切替が出来ますので、楽器や用途にあわせて反応速度をあわせることが出来ます。音程の立ち上がりが遅いバイオリンなどの弦楽器は反応速度も遅く、逆にサックスなどの木管楽器で速いフレーズのトーンを確認する時は反応速度も速く、といった使い分けも可能です。
こういった練習機器ですと視認性も重要だと思いますが、何か工夫された点はありますか?
TASCAMの製品はドットマトリックス液晶といって点で文字や絵を表示するタイプのものが多いんですが、PT-7に関してはそれぞれの表示が専用のものになっていますので、大きく綺麗で見やすくなっています。あと、珍しい表示といえば、チューナーが縦表示なんですよ。みなさん横表示に慣れてしまっていますが、音程は高い低いだから、よく考えてみたら針の振れも上下の方がイメージがしやすいんですよね。実際縦表示になっていることでユーザーの方から使いづらいという声は一度もいただいていません。
あと、これは自慢するようなことでもありませんが、バックライトも付いてます。オンオフの切替も出来ますよ。
今までのレコーダーやトレーナーには付いていなかったスピーカーがPT-7には搭載されていますね。
基準音を鳴らしたり、メトロノームを聞いたり、複数人で練習する際などはスピーカーがとても便利だと思います。録音をしてもすぐにみんなで確認が出来ます。音量が足りなければヘッドフォン出力から外部に繋ぐこともできますよ。
録音時間を20分に設定した理由はありますか?
練習用ならこれぐらいあれば十分かなと考えています。歌謡曲なら一曲録っても5分前後ですし。クラシックの曲は長いものもありますが、20分もあればほとんどの曲はすべて録音できると思います。基本的には録音しておいて何かにするというよりはその時の練習に便利なように録音が出来るといったコンセプトです。例えば、先生の演奏を録って家に帰ってきて自分の演奏と比べたり、自分の演奏を録音して後から音程を確認したりといった具合でしょうか。確認用ですね。
PT-7本体にも表記があるアナログ・デバイセズ社製Blackfinプロセッサとはどういったものでしょうか?
これは使っているプロセッサ(DSP)の名前です。パソコンで言うところのCPUみたいな感じですかね。弊社の製品では今まで使ってなかったんですが、ブランド力もある高価なチップなんですよ。非常に高性能な回路を積んでいます、という主張です。(笑)
参考URL:http://www.analog.com/jp/embedded-processing-dsp/blackfin/processors/index.html
パーツにもこだわったことでより高い精度のチューニングが可能になったわけですね。
そうですね。速い反応速度のチューナーには高性能な回路が必要となりますので。チューナーにそのような高速処理が必要なのは恐らくPT-7のような使い方をしない限りはないでしょうね。
今回は今までのトレーナーシリーズとは異なり、カラーリングの差し色にオレンジが採用されていますが、何か狙いがあってのことでしょうか?
あまり知られていないと思うんですが黒とオレンジは実はタスカムカラーなんです。(笑) 昔のMTRとかは結構このカラーリングを使っていたりするんですよ。


それは知りませんでした。失礼いたしました。(笑) ポップな印象もあるので若い世代の人達にも持ちやすそうですね。
そういった狙いもあります。カラーリング以外もボタンが多くあると難しそうに見えてしまうので、数をなるべく減らして手に取っていただきやすいようにしました。
音程の安定しない楽器の練習が主な用途となると思いますが、それ以外に提案出来る練習方法はありますか?
もちろん高性能チューナーとしての用途だけでも使っていただけます。楽器以外ではボーカルも十分反応します。自宅でボーカルを練習する時にマイク等をいちいちセッティングして録音するのは面倒かと思いますが、PT-7があると手軽に録音して音程の確認まですることが出来ます。彼女がもしボーカリストなら是非誕生日プレゼントにあげて下さい。でも、「お前音痴だから練習しろよ」って意味に取られるかもしれない。(笑)
それは困ります。(笑) PT-7は再生コントロールも付いてるみたいなので、録音した物のスピードを落としたら細かく上下する音程のズレもゆっくり見ていくことが出来ますよね。
その通りです。仕組みとしてはスピーカーの前にチューナーが入っているイメージですね。だから録音して入力済みの音声でも、スピードを落として再生したらチューナーは来た音に合わせて反応していきます。今まで速弾きしてごまかしていたフレーズもゆっくり聞いてみると案外ズレズレかもしれませんよ。音楽を教えている先生も、PT-7を使えばきっと新しい練習方法を提案していただけると思います。生徒の演奏を録音して、「あなたここ音おかしいから!」ってはっきり言えますからね。恐いツールです。(笑)
PT-7を開発している段階で何か苦労話があったらお聞かせ下さい。
小さくすればするほど大変なので、小型化という点では苦労しました。あと最近の音楽で使われているほとんどの音階が平均律というものなんですが、それ以外にも例えばバロックとか昔からある音楽や民族音楽等でも使われているような難しい音階にもPT-7は対応出来るようにしてあります。実際は我々も平均律しかやったことがない人達なので、開発の段階ではかなり勉強をさせてもらいました。実際時間をかけて調べたのは僕ではなく企画したスタッフですが(苦笑)。広い需要に対して商品を開発していく、という点でも努力しましたね。
また、録音がメインの製品ではありませんが、やはりTASCAMブランドの機器ということで、音質は可能な限り高いクオリティを出せるよう努力しました。
あえて弱点、欠点などをあげるとしたらなんでしょうか?
チューナーとしてだけと考えると少し大きいかなと思います。
…あとはとにかく今まで同じようことが出来る機器が他社にも当社にもなかったので、現時点では弱点はあまりよく分かっていないんです。
PT-7はズバり プラクティス/チューナーの頭文字と踏んでいるんですが…
残念ながらピッチ/トレーナーです。(笑) ピッチトレーナーでは一般の方ですとどういった商品か想像しにくいだろうと考えて、クロマチックチューナー&レコーダーというサブタイトルを付けました。
音程の練習をすることはある意味恐い領域ではあると思うんですが、楽器をより長く楽しんでいただくためにも、是非PT-7と一緒にその壁を乗り越えていっていただければと思います。
【DR-2】

DR-1の後継機種です。スペック的に一回り上の24bit/96kHz対応です。外装的なところでは乾電池になり、リモコンが付き、スピーカーも搭載されました。あまり売りにはしていないんですが、スピーカーの音質には実は結構こだわっています。聞いていただけるとすぐに違いが分かると思いますよ。VSA機能も幅広くなりました。早回し116%までだったのが2倍速までいけるようになっています。

新しい機能としてはデュアルレコーディングというのが追加されました。ギリギリの録音レベルで録ったものを家に帰って聞いてみたら歪んでいたっていう経験をされた方は結構いると思うんですよね。デュアルレコーディングとはこれを防ぐために、あるレベルに設定して録音を始めた際、そのレベルより低いものも同時に録音が出来るといった機能になります。もちろんこの機能を使わないで録音することも出来ますが、ライブなど取り逃してしまうと後で取り返しがつかないことになってしまう場合は、解像度が高いレベルのものを録りつつ、保険もかけておくことが出来ます。一回しか録れない電車の音とか、「あのSLはもう二度と走らないのに!」そういったこともなくなります。笑
あと細かい機能もリファインされました。例えばファイルの名前はパソコンで操作する以外「DR**」というファイル名しか作れなかったんですが、本体側操作で好きな名前に打ち変えられるようになっています。うたう程ではないものの使い勝手の部分は色々とブラッシュアップされてますね。

あとは単純にデザインも良くなりました。と、思っています。(笑)カラーラインナップも黒と白2色ご用意しました。
【DR-08】

こちらもコンパクトながら24bit/96kHz対応となっています。マイクは可変式となっており、広げると「音楽」、閉じると「インタビュー」といった具合に録音にあわせて最適なマイキングを選べます。動きがあるんだったらそれぞれに意味を持たせたいということでこの様な仕組みが考案されました。
両機種ともに単純な小型化ではなく、録音の楽しさを感じられるように考えた機能を詰め込んでいます。
ミュージシャンにとって音程やリズム感を指摘されるのはとてもショックなことです…。インタビューにもありましたが「あなたここ音おかしいから!」って言われたら私ならたぶん相当落ち込みます。(笑) PT-7を使ってレコーディングをして、チューナーを見ながら聞き直せば、自分の悪いところがはっきりと分かる。そしてそこを集中して練習すれば改善されたこともはっきりと分かる。それなら自信を持って上達したと言えますよね!今までの本当に上達しているのか分からないままの練習方法よりは遥かに高いモチベーションを維持出来そうです。
自分自身の弱点に立ち向かっていくことは確かに勇気がいることかもしれませんが、PT-7というパートナーがいればとても心強そうです!私も今一度自分に向き合ってみようかな。(笑)
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